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 5/4に開催された「超閃華の刻2017」のペーパーラリーのために発行したペーパーからの転記ですが、ミュージカル刀剣乱舞「三百年の子守唄」感想です。
 購入したDVDでまだ見直せていないので、見直せたらまた追記するかもしれません。

*ミュージカル刀剣乱舞「三百年の子守唄」
2017年4月8日(土)・9日(日) 梅田芸術劇場メインホール

 生では上記の日程で、加えて千秋楽ライブビューイングにて鑑賞してきました。
 まずは、おそらくツイッターなどですでに出回ってるかと思いますが、日替わりの禊のメモを(細かい言い回しはうろ覚えです)。

●4/8夜公演
お題:大倶利伽羅「出陣100回の奴がいるらしいから、それにふさわしいのを」
禊:石切丸「じゃあ、私からありがたい話を…(二周年ボイス)」→投げキッス
●4/9昼公演
お題:青江「主たちが『あーっ』(マリリン・モンローみたいなポーズ)ってなるようなカッコいい台詞」
禊:物吉「この地ですてきな言葉を見つけたんです。めっちゃ好っきゃねん!(ハートマークポーズ)」

 …でした。
 そして本編の話ですが…まず思ったのは、「大胆で繊細な話だった」ということでした。「改変されてしまった歴史を修正すべく、刀剣男士たちが歴史上の人物になりすます」という大胆な話の流れに対して、それぞれの心情の描写は繊細で、ただただすごいな…と。あと「幕末天狼傳」は「熱い」話だったと思うのですが、こちらのほうは「しっとり」した話だったように思いました。

 で、このお話の要点を3つに絞るならば、
○石切丸レベル99の孤独○大倶利伽羅馴れ合いへの道○脇差最強伝説
 …だったんじゃないかと。

 石切丸は、信康の死が迫るにつれ、あの部隊の中で際立って練度が高い(精神面も含めて)ことが仇になって一人抱え込んでいってしまいましたが、キャラクターとしても、それを演じる崎山さんの演技や動きにしても、トライアル公演から石切丸を演じてきたことがしっかり積み重なって反映されていたように思いました。刀さばき一つにしても、動きが本当に洗練されてきていて、無駄がなかったというか。
 また、桶狭間の戦いにおいて「こんなもんか」と言い捨てた大倶利伽羅と手合わせをするシーン、止めようとした青江を短い言葉と視線だけで制していて、その貫録に息を呑みました。

 大倶利伽羅に関しては、今までの傾向からして、観劇前はもっと彼にスポットが当たる話なのかと思ってて、でも「三百年~」はより部隊の六人が相互に関係し合っていて、突出して「誰か」のストーリーだったというわけではなく、そこがまたよかったんですが、だからこそもしまた次回や次回以降彼が登場するならどんな風になっているのか、そこがすごく楽しみになるような展開でしたね。

 二部のライブでは青江と大倶利伽羅がデュエットしてましたが、一部のほうでも「心なんて戦いには邪魔」と思っている大倶利伽羅と、「心とは…」と一歩外から観察してる風な青江との対比がよかったですし、また青江は赤ちゃんを怖がるとか、「僕が育てなきゃ…」と思い詰めるとかではなく、興味津々だけど淡々と接してるのが、よかったなぁと。

 それと青江と村正は、てっきり逆かと思ってたんですが、村正のほうが青江を扱いきれない感じがおもしろかったです。刀剣男士として、また本丸における「先輩」なんだって貫録があったような。
 そして村正…脚本の方は二次創作は一切見ない派らしいのですが、それはそれとしても審神者の間でもまだ村正についての大まかなキャラ観も醸成されていない中で(だからこそ、かもしれませんが)、あれをどーんと打ち出してきて、でもそれが本当にいいキャラ、いい役回りで、本当に輝いてましたね…! 太田さんの熱演もすごかったと思います(稽古→本番を通して作り上げていった部分や、アドリブも含めて)。

 物吉は、「本多忠勝になりすます」ことに躊躇する蜻蛉切をまんまと説得しおおせたシーンで、その強さ、柔軟さに恐れ入ってしまいました。
 というか、刀ミュ本丸の脇差、みんな強いですよね(笑)。実は脇差が本丸の屋台骨を担っているのではと思いました。
 そして何と言っても、物吉に「よく生きられましたね」と言わせるのが、鳥肌が立つくらいすごいな…と。もちろん物吉貞宗が徳川家康の愛刀だったから、彼を置いて誰が言うというところではあるんですが、でも見た目は少年な彼がそれを言う、そしてそこに何の違和感もないこと、まさに神がかってましたね…。

 そして蜻蛉切…美声、何と言っても美声。本当にお腹の底から声が出てる…って感じの低音からの伸びがすごかったです。そしてまた、そんなspiさん演じる蜻蛉切に二部ライブであんなR&B調(でいいのかな…音楽のジャンルがよく分からないので)の歌を歌わせるとかずるい! 惚れちゃう! と一人興奮していました。
 姉川の戦いでの単騎駆けに至る経緯も、蜻蛉切の「ど」がつくくらいの実直さが表れていて、コミカルでありながら、よいエピソードだったと思います。また本多忠勝の槍だからこそ彼をなぞって、彼の名や生き様を後世に残すことができるのに、「本当の」本多忠勝の存在はすでにない…という矛盾が生じているのも、こうしたネタならではでおもしろかったです(他にも何点かありますが)。

 さらに今回の刀ミュ、三大ブラウザから抜け出てきた大賞は個人的に青江、大倶利伽羅、検非違使だったと思うんです。検非違使役の方の槍さばき本当すごかったです。実装当時、苦戦したことを思い出しましたもん…。背景の演出なんかも含めて、本当にブラウザから抜け出てきたかのような検非違使でした。

 最後に、どうやら昼公演と夜公演でラストの演出が若干違ったようなのですが(もしくは4/9昼の分がイレギュラーだった)。

●4/8夜&千秋楽→石切丸が青江の似顔絵を描いている。青江から笑いかける。つられて笑う石切丸。段々笑いが大きくなる。
●4/9昼→青江が石切丸の似顔絵を描いている。それを見て笑い合う。

 一緒に観劇した友人とも「夜公演のほうが好みだった」と話していたので、千秋楽でもそれが観られてよかったなと思いました。